わたしたち・・・

 筑後川の源流もある自然豊かな「のや」。2013年頃より、先祖から代々受け継がれてきた野矢の土地で、固定種や在来米を育てています。雄性不稔という品種改良の手法を知ってから、固定種のみを栽培する農家になりましたが、タネへのこだわりは、安全性だけでなく、その美味しさや持続性もあります。

 

 しかし、肥料も農薬も使わない固定種は、育ちも規格もバラバラで市場には受け入られません。知らない、ほど怖いものはなく、見慣れない野菜も、売れません。この美味しさやタネの魅力ををどうしたら伝えられるか・・・。

 

 当初、その魅力を伝えるため大分や福岡でお話し会や販売会を開催しました。ところが、ここ最近の異常気象、作物も育てにくくなり、農家も減り、ん?この先、食べものを育て、売ること、買う時代って続くのかな、疑問が湧き、自給力とタネの継承性が大切だと気付き始めました。


 年々、野矢にも、高齢化の波とともに、空き家や耕作放棄地が増えてきました。私たちは、代々地域で守られてきたこの場所の魅力を伝えよう、と、数年前から農業体験ができる「Noya Supporter」を始めます。その中で、地域の人や参加者と育て、食べてもらった固定種。その美味しさは、すぐ伝わりました。

 

 このBED and FARM SAKOは、タネの継承に取り組む、たねの里「のや」がお届けする初めての滞在型の施設です。野矢やタネのことを知ってもらうだけでなく、育てること自給することに楽しさや生きる意味を感じ、多くの方の自給力がUPするきっかけになれば嬉しく思います。

 

          Noya Design Project 日野克哉